著者:二神軍平
『総括』
ユニチャームさんの営業管理手法のSAPSです。
最後に「経営者は企業文化の権威者であれ!」と言われているように
高原会長の経営哲学から生み出されたシステムで、
2・6・2のボトムの二割を引き上げるという考など、
非常に日本で人間を尊重するという考えが隅々にまで行き届いてます。
トヨタ、P&G、BCGを参考にしたそうです。
中でもスピードを競争力とするという考え方に共感。
『SAPSとは』
SAPSは販売ではなく行動を管理する周次のマネジメント。
結果は外部環境に影響されるけれど、行動は自分で管理できる。
やる気のある人なら、必ず達成感が味わえるシステム。
1)優先順位に集中する
1st Priority に全員が取り組み成果を最速で成果を達成する
この優先順位を決めるのが経営者の仕事であり、
決定すれば、全員でベクトルを合わせてムダを排除し実行する
2)真因を突き止める
なぜなぜを使います
3)自己流を排除する
ビジネスには定石があり、これを外せば失敗の確率は上がる。
この定石をトヨタ、P&G、BCGから学んだ。
我流を避けるにはフレームワークなどを用いた論理的思考が有効。
4)実行の仕組みを定着させる
難易度は次の順に上がっていく。
個人開発→組織開発→仕組み開発
ある仕組みが、どんな社員も心理的な負担を感じずに、
全員参加で機能を発揮する状態になるまでは、
仕組みの「見張り番」を置く必要があります。
「この仕組みで業績が伸びた」と言えるまで、
見張り番を務めるのがリーダーの仕事。
成果を上げる秘訣 by ドラッカー
「成果を上げる人は、もっとも重要なことから始め、
しかも一度に一つのことしかしない」
「重要な意思決定、すなわち大きな意味を持つ意思決定は
戦略的な意思決定である。
それら戦略的な意思決定を行うのには、
まず状況を把握することが必要である。
あるいは、状況を変えることさえ必要である。
さらには、いかなる資源が存在するかを知ることが必要である。
また、いかなる資源が必要かを知ることが必要である。
戦略的な意思決定は、優れてマネジメント上の意思決定である。
経営管理者たるものは、すべてそのような戦略的な意思決定を行う。
戦略的な意思決定は、その範囲、複雑さ、
重要さがどのようなものであったとしても、
初めから答えを得ようとしてはならない。
戦略的な意思決定においては、重要かつ複雑な仕事は、
正しい答えを見つけることではない。
それは、正しい問いを探すことである」
◆行動を変えれば意識が変わる
無理な売り上げをあげていたことが問題だった。
それを「売り上げは問わない!」という号令の元、
抜本的な改革を始めた。売り上げは予想通り激減したが、
信念を持って改革を進めた。
【ユニチャームの考え方】
行動改革
↓
意識改革
↓
能力改革
↓
習慣改革
きよ)先に体で覚えさせるのっておもろい
『実際SAPSで何を変えたの?』
目標) 販売目標 → 行動目標
管理) 日報 → SAPS週報
優先順位) 支店ごとに決定 → 全社で1P
会議) 階層別 → テレビ会議で全員参加
コミュニケーション) 支店長に一任 → 懇親会の積極的な開催
報告の仕方は「○○できました」から「○○できませんでした」に変更し、
翌週の課題を明確にした。
きよ)これはオモロイ。確かに出来たことを報告して、
何をするかの目的が必要。出来なかった報告は改善事項の明確化
『BCG「タイムベース戦略」』
時間短縮を競争力とする。
◆パイロットの行動分析から生まれた「OODAループ」
1)Observe 観察し情報を収集する
2)Orientation 状況判断を行う
3)Decision どのように戦うか意思決定を行う
4)Action 実際の行動に起こす
この中で意思決定がパイロットの生死を決めていたことが分かった。
SAPS経営は「早いものが遅いものに勝つ」という考えをベースにしている。
◆全てのムダは人の時間を浪費すること
人の時間をムダにすることは恥である。
『成果主義を否定する!』
経営者には社員の能力を発揮させて、成果を上げさせる責任がある。
だからユニチャームでは、「成果を出した人の給料を上げましょう、
パフォーマンスが悪い社員の給料を減らしましょう。
能力のある人を抜擢しましょう」という考え方の成果主義を否定し、
「組織の成果主義、能力主義」と採用している。
考えるのは組織の能力を上げること。
社員200人の会社の場合
上位20%の年棒を100万円ずつ上げる
→残り80%の人の年棒を25万ずつ下げる
これで本当に組織としてのモチベーションが上がるの??
ユニチャームでは2・6・2のボトムの20%を引き上げることで、
組織力を上げることを目指している。
『リーダーシップとは』
◆トップの情報発信力
コミュニケーションは「伝える」だけでなく「共有」すること
経営者が一人で夢をみていても何も変わらない。
◆リーダーシップの要素
1)要望性
部下に指示して最大限の能力を発揮するよう求め、
仕事の進行を統制し、督励する働きで、目標達成を激しく求める力。
2)共感性
部下の考え、感情などを部下の立場で考え、
部下に対して指示や援助を与えること。
3)通意性
いわゆる報連相を適切に行い、
仕事を進めていくうえで必要な情報や知識を部下に与えて、
仕事の意味や意図を理解させること
4)信頼性
マネジャーと部下との結びつきを人為的に考え、
相互に「この上司なら」「この部下なら」と納得したうえで
結びつくこと
5)統合性
上司を補佐する機能として重視されるもので、
上司の意思を理解し、その基盤の上に立ち、周りの声や
職場の状況を上司に伝えるなどして上司を動かすこと。
6)上動性
自分の意志や考えを上司にぶつけ、
上司の考えを動かしていく働きで、
具体的に問題提起や提案をしたりすることで
影響を与える機能
7)横動性
組織の壁を越えて他の部門の人たちを動かす力であり、
共通の目標を達成するためのベクトル合わせが重要。
◆新しい仕組みの導入時にやっていはいけないこと
1)トレードオフなしで導入
新しい仕組みを導入した時は、古い仕組みを潔く捨てる
2)行動基準のない行動管理
主観的に統制するのではなく、
目標、計画、予算などの基準で人間活動を統制することで、
参加者の納得性を得る
3)実行の仕組みなしにプランだけを書かせる
計画を作成するときは、実行の仕組みも同時に構築しておく
計画)1Pローリング
実行)週次SAPS会議
4)コミュニケーションなしに新しい仕組みを導入する
ユニチャームでは最低月に一回飲み会を開催している。
その場で、これをやればどうなるのかの「夢」を語る。
新しい仕組みには必ず抵抗勢力が現れる。

